[随感日記] 夜と霧を読んで

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今週のお題「おすすめの本」第2弾
 本日は、一昨日の夕方から始まった24時間勤務を終えての休日です。
 ところが、昨日から続いている台風の影響を受けた雨です。
 関東地方は、夕方ごろに接近するとか、他の地域ではかなりひどい影響を与えているとか、被害に会われた方々のことを思うと心が痛みます。

 話は変わって、前回紹介した本とは違って、今回の紹介本はⅤ.E .フランクル著「夜と霧」です。

夜と霧 新版

夜と霧 新版

 同書の存在は、高校時代に読んだ北杜夫さんの著書の中で紹介されていた文章を読み、読んでみたいなと思っていたのですが、ただ内容がアウシュビッツ強制収容所の体験記ということで、かなり悲惨な内容だろうと自分勝手に推測して、なかなか手が伸びませんでした。
 が、「人間とは何か」を読み終えた後に、やっぱり「夜と霧」を読みたいと思い、図書館に予約したところ出版から相当な年月がたっているのですが、先行予約の方がいて、今回やっと貸出可能となりました。
 読み終えて思ったことは、収容者119104の体験記という体裁で書かれている内容は、想像通りのものでした。
 ただ、それを心理学者が理論的に説明していく著者の態度には、本当に頭が下がります。
 あのような極限状態のなかにおいても、人間とはなにか、生きるとはどういうことかということを前向きに考え、それを食べるものさえない環境の中で記録し続けた著者の行動には、言葉がありません。

 収容所生活への被収容者の心の反応を三段階(施設に収容される段階、まさに収容所生活そのものの段階、収容所からの出所ないし解放の段階)に分けて、抑えた言葉で記載されています。
 第一段階の特徴は、心理学でいうショック作用です。
 第二段階の特徴は、感動の消滅、鈍磨、内面の冷淡さと無関心。
 これらは、精神にとって必要不可欠な自己保存メカニズムだとのこと。
 栄養不良は性欲がまったくなくなり、そのかわり全身全霊をこめた愛への憧れその他の情動は、いやというほど夢に出てくるとのことです。
 このような極限状態のなかにおいても、感情の消滅の克服、感情の暴走を抑えていた人、最後に残された精神の自由、周囲はどうあれ「わたし」を見失わなかった人が、わずかながらでもいたとのことです。
 ということは、精神の自由を持ち続けるためには、時々刻々環境の前にひざまずいて堕落に甘んじるかどうかの内心の決断を迫る状況または状況の連続のなかで、拒否をし続けるという決断です。
 これは、今生きている環境の中でも、試されている内容です。
 これまでのわが身を振り返ってみる。
 自分の今までの生きかたは、実に情けないことだが、著者が言うところの「典型的な被収容者」の生き方だと自覚しました。
 
 ただ、著者が自問自答する内容を読んでいると、そこに希望の光が見出されてきます。
 
 

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