日本円が強い理由。

人気ブログランキングへ

貨幣進化論―「成長なき時代」の通貨システム (新潮選書)

貨幣進化論―「成長なき時代」の通貨システム (新潮選書)

 何とか返却期日に間に合って読了しました。
 この本を読もうと思ったのは、「オカネ」という実に悩ましいものの正体を知りたくて手に取りました。
 著者は、元日銀マンで現在は大学院の教授です。
 本の構成は、4部構成になっていて、第1章が物語風に書かれた「パンの木の島の物語」です。
 第2章は、「金本位制の旅」というタイトルの下で、「金本位制」に至るまでの貨幣に関する歴史が説明されています。
 第3章は、「私たちの時代」というタイトルの下で、第二次世界大戦から現在までの歴史が説明されています。
 そして、第4章は、「貨幣はどこに行く」というタイトルの下で、貨幣の今後について著者の考察が書かれています。
 日本について書かれた内容にどうしても、関心を示してしまいます。
 特に、下記の文章には納得しました。
 「日本の政府とは、そうした恵まれた顧客基盤を強力に掌握している独占企業のようなものだと考えて良いでしょう。日本政府は、そうした日本人という顧客に対して福祉だの安全だのという「商品」を提供し、代わりに税金という「料金」を取っているわけです。政府にとってありがたいことは、日本人は、その裕福さの割には世界の中で言語的にも文化的にも孤立していて、国民としての一体感も強い人々ですから、独占企業である日本政府のパファーマンスが少々悪くても料金支払いを拒否したり、別の政府から「商品」を買おうとしたりすることは少なさそうだということです。(略)
 要するに、日本政府とは世界的にみると異様なほどに恵まれた顧客基盤の上に胡坐をかいている独占企業のようなものなのです。そして、当たり前のことですが、そうした国の株価ならぬ貨幣価値は、短期的な要因ではなかなか下落しません。」(P224−225)
 これを読んだ時に、日本の円がなぜ強いのか納得しました。
 これが、この本を読んだ一番の収穫です。
 作者とすれば、ここから先の論考が、主張したいところだと思うのですが、理解できていない自分の情報量のなさにもっと学ばなければという気持ちになってます。
 
下記のブログランキングに参加中。
気が向いたらで結構ですが、ご協力を。
にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ