貧困を救うには、

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 机の上に山積している図書館から借りた本を少しづつ、片付けてはいるのですが、なかなか進捗が遅いです。昨日は、エマニュエル・トッド著『帝国以後』を読破と同時に本ブログにエントリーしました。
 本日は、併読していた山森亮橘木俊詔著『貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか』(人文書院)をやっと読み終えましたので、エントリーしたいと思います。
 こちらの本は、二人の経済学者が対談形式で、昨今の格差や社会保障問題、経済学における福祉思想などをテーマにした内容です。
 もともと、「貧困に関するテーマ」に興味があると同時に「ベーシック・インカム」にも関心があった関係で地元の図書館から借りてきていたものです。
 対談形式になっていますので、すごく読みやすいですが、かなり専門的な内容が書かれているので、それなりに基礎情報が必要になりますが、なかなか興味深く読むことが出来ました。
 まず、著者のお二人ですが、かなりの年齢差があります。
 山森亮さんが、1970年生まれの40歳で、橘木俊詔さんが1943年生まれの67歳ですから、親子ほどの違いがあります。お二方とも紳士的な対談をされているように読むこことができました。
 読んで思ったのは、「ベーシック・インカム」という制度が、取り入れられれば、相当な貧困対策はできるだろうなという感想を持ちました。
 *ベーシック・インカムとは、「ある社会で、すべての構成員に、例えば月額10万円あるいは5万円あるいは15万円というような、とにかく一定額を(個人単位で)給付しようという考え方」です。
 (P221)
 
 そして、本システムを導入に際しての問題点を橘木教授が指摘されている問題点を上げられていますので、ここに引用させていただきます。

 橘木「(略)二つの問題があって、一つは無条件に生存権を認めるか認めないかという問いを国民にしなければならないという、思想的な概念の問題。
 もう一つは非常に経済学者的な問題で、保障を100%捕捉できたときの効率性と、それをすべて止めてベーシック・インカムを導入したときの効率性の比較という、非常に現実的な世界の比較。この二つの問題がある。
 私の見たところ、ベーシック・インカム論者は、どうも私の言う一つ目の概念的、思想的、哲学的なもののに囚われ過ぎていて、私の言う二つ目の、では現実はどうすればいいのかという問題から逃げてきたような印象を受けるのですが、言い過ぎですか?」(P228)

 
 そして、考えた、『憲法25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」』に基づいた生活を、一般人が一月生活する最低限の生活費はいったいどのくらいと、国は考えているんだろうと。

貧困を救うのは、社会保障改革か、ベーシック・インカムか

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