[随感日記]認知症

にほんブログ村 オヤジ日記ブログ 60代オヤジへ
にほんブログ村
前の施設に勤めていた頃の男性の利用者さんの一人は、退職して相当の年数が経つのに、なぜか勤務していた時代の中で暮らしていた。
普通の会話かと思うと、タイムスリップして、勤務していた時代に戻り、「○○さん(当時の部下の名前らしい)今日は、誰が入っているの?」と、シフトの確認をしていた。
あの時、彼が見ていた世界は、私たちが見ていた世界とは、違っていたのだろう。
認知症というものがあることは、知識として知っていたが、実際の場面に遭遇すると、最初のうちは戸惑いがありますが、慣れてくると、その利用者さんの話に合わせるようになる。

しかし、考えてみると不思議なものです。
利用者さんが生きている時空間と同じはずなのに、利用者さんが体験している時空間と、私が体験している時空間が異なる。
脳が、そうさせているのでしょうが、実に不思議です。

別の利用者さんには、幻視・幻聴があって、時々誰もいない場所に向かって、話しかけている場面に遭遇しました。
これも、利用者さんの脳の中で、私と違う時空間を作り出しているということでしょう。
その利用者さんには、どういう世界が、見えているのか、実に不思議です。

それから、脳について興味を持ち、図書館の本をいろいろと読んでみましたが、まだまだ謎の部分が残っているということはわかりました。
意識がどうやって生じるのかということを研究している人がいるようですが、未だに全てが解明されていないというのが、現状だということはわかりました。