人それぞれ。

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「私は、もう必要のない人間なんだ。」と呟かれた。
「仕事がないなら、もう帰らさせてもらいます。」と訴えられる。
「ここは、働きに来ているのではなく、お泊りに来てるんですよ。」と、説明し、その場では納得された顔をされる。
でも、ほんの5分もしないうちに、また同じ事を言われる。
それが起きていられる間、何回も続くのです。
これだと介護している方が精神をやられてしまいそうになります。
夕方になると、
「息子がかえってくるので、おかずを買って帰らなければならないのだけれど、今日ここで働いた給料を下さい。」との訴えがある。
生活リハビリとして行っている、掃除や洗濯物畳みが、仕事だと思い込まれているんです。
いままでそうやって、身を粉にして働いて子供達を育てて来た人なんです。
それが染み付いてしまっているから、他の利用者さんがじっとしていても、その方はとにかく動き回っていて、じっとしている事が悪い事だと思われるんです。
「じっとして休んでて下さい。
血圧が高くなって、倒れられると困るんです。」と、お願いしても、まったく聞く耳を持たないのです。
その方の性格と今までの歴史だから、はたの人間がどれだけの言葉を費やしても、変わらないんでしょう。
かたや、「朝からなんにも食べさせてくれない。ここはどうなっているの。」と、難聴の利用者さんは大きな声で訴えられます。
ところが、食事時になると、一番に食卓のテーブルに陣取って、食べてます。
「そんなにガツガツ食べるもんじゃない。」と、他の利用者さんから注意を受けますが、あまり応えてない顔
をされてますが、内心はどうなんでしょう。
人それぞれです。
それから、当デイサービスに来所されるやいなや、
「私はいつ帰れるの。」と、帰ることばかりおっしゃられます。
それに同調して、何人かの女性がその話題で時間を費やされます。
皆さん忘れやすいかたですから、同じ話題を飽きるまで続きます。
でも、それでコミュニケーションができるのなら、それはそれでいいのかなと思ったりします。