昔取った杵柄

にほんブログ村 オヤジ日記ブログ 50代オヤジへ
にほんブログ村
新しい施設の利用者さんと近所をぐるりと散歩に出かけた。
Nさんは、殆ど会話らしい会話ができないけれど、アイコンタクトで何かを訴えかけて来られるのですが、その訴えの内容は、正直わかりません。
来られた時には、施設の中をウロウロと歩き回っていたそうですが、今はあまり動かずに、椅子に座ったままです。
でも、今日散歩に出かけた後、来所当時のように部屋の中をウロウロと歩き回っています。
一般的に言えば、徘徊っていう行動です。

Kさんは、嘗てスキーの選手だった方だそうで、来所当時は、二階の窓から屋根の上に出て、逃亡を図ったことがある強者だったそうです。
また、ご家族と一緒に病院に行かれて、当所に帰って来られたときも、ご家族及び当所の職員が気づかない間に、逃亡を図られ、近所を彷徨っているところを、保護されたという経歴の持ち主です。
今も、夕方になると、「今日の仕事は終わったから、帰らせていただきます。」と、挨拶に来られ、その度に「今日は、お泊まりですから、家には帰りませんよ。」と伝えると、その場は納得されますが、またすぐに
「帰っちゃいけないんですか。」と、聞いて来られます。

そういうことがあったので、Kさんは、これまでほとんど散歩に出たことがありませんでした。
今回、私の提案に対しても、そういう実績のある方ですから、他の職員さんからは、Kさんの散歩には、不安視されましたが、散歩に出かけました。
Kさんは、難聴のため、耳元近くで大きな声を出さないと聞こえないとのことですが、すごくおしゃべりな方で、ずっと話続けています。
話の内容は、ほとんど自分に関することばかりですが、思ったことをすぐに言葉にしてしまうその言葉の多さと的確さには、なんてすごい人なんだろうと思います。
ただ、かなり猜疑心の強い方なので、よくもまぁそんなに人の心理の裏読みができるもんだなぁと、ある意味感心です。
散歩途中で逃亡という危惧もありましたが、今までのほとんど外に出ていなかったことが、影響したのでしょう。
本人曰く「運動不足で息が上がる。
小学校の時は、クラスでも一番早かったのに。
社会人になってからは、フルマラソンで完走してたのに…。
でも、一週間も練習すれば、元に戻るとは思うけれど、今日はたったこれだけでもきつい。」とのことでした。
散歩の間中、ずっと一人で話されていました。
散歩から帰ったあと、Kさんは、椅子に座って、軽く体操をされてました。
その姿にびっくりです。
椅子に座って足を上げられているのですが、まっすぐに伸びた足が、何と自分の頭上を越える程あがるのです。
その身体の柔らかさには、ビックリです。