165 僕の楽しみ

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 今週に入ってから、暖かい日が続きます。
 いつもは家の中に引きこもっているここの家のパパも、なぜだか午前中または午後から外出してます。
 だから、僕は午後は孤独を味わってます。
 こんな春爛漫でポカポカと暖かい日差しも部屋の中に入ってくるので、つい僕は身体を横たえて瞑想に入ってます。
 夕方になったら、ここの家のパパが帰ってくるから、それまでの辛抱だ。
 今日は土曜日ということで、ここの家のパパもママも次女もいると思ったら、午後から2人は外出した。
 まぁ毎週のことだから、それで今日もここの家のパパと僕だけです。
 で、ここの家のパパは何をしているのかというと、これまたいつものようにPCの前に座って音楽聴いたりカタカタとキーボードを叩いている。

 そうそう、今日の午前中は、ここの家のパパと久しぶりの朝散歩。
 西洋タンポポの黄色い花が咲いている横に綿帽子をつけたタンポポを見つけた。
 ついこの間咲きはじめたと思っていたんだれど、すっかり綿帽子をつけるようになった。
 ここの家のママと散歩しているときに出会うおじさんがいたから、ぼくはママの時のように、そのおじさんに近づいたんだ。
 なぜって、実はこのおじさんはジャッキーをくれるおじさんなんだ。
 それで、近づいたんだけれどね。
 ここの家のパパは、僕と1年近く散歩に付き合ってくれているのに、このおじさんと今まで話したことがないんだ。
 そのおじさんが、近づいてきた僕を見て、
 「あれっ、いつもお母さんと散歩しているおとなしい犬かな。」って、ここの家のパパに話しかけたんだけれど、さっき言ったように、ここの家のパパはまったくそんなことを知らないから、「はぁ」って、怪訝そうな顔をしているんだけどね、僕は顔馴染みだからおじさんに愛想を振りまく。
 そうすると、おじさんが、
 「いつものおとなしい犬だね、私のことを憶えているみたいだ。
 だったら、いつもご褒美をあげてるから、ちょっと待ってて。」と言いながら、おじさんは家の中に入って行った。
 それで、僕は、おじさんが入っていった勝手口の扉の前でおじさんが出てくるのを待った。
 しばらくして、おじさんはいつもと同じようにジャッキーを持ってきた。
 「1回に4本は多いから、この1本はあとでやってください。」と、おじさんはここの家のパパにジャッキー1本手渡した。
 おじさんは、残った3本のジャッキーを細かくちぎって掌に載せた。
 そして、僕はおじさんが掌の載せたジャッキーを無心に食べる。
 おじさんは、食べている僕を見て、すごく嬉しそうな声で、
 「この犬は、ゆっくり食べるんだね。
  この近くの犬で、この先の通りの○○さんのところの犬なんて、すごく食べるのが早くてね。
  この子が1本食べている間に、3本ぐらい食べるぐらい早いんだから。」
 と言っている。
 これって、僕が褒められているってことなのかな、僕がジャッキーを味わって食べていると思ってるんだね。
 だけど本当は、僕の歯って、お医者さんの話だとあまりいい発育状態じゃないみたいなんだけどね。
 まぁ、それはこのおじさんの知らないことだから、とにかく僕はおじさんからもらうジャッキーで幸せ。
 
 しかし、ここの家のパパは、1年以上も僕と散歩していて、いままで知らなかったことがあったみたいで、ちょっとびっくりしてるみたい。

 今流れている音楽は、SPIRITUALIZED の「Ladies and Gentlemen We are Floating in Space」日本名は宇宙遊泳です。なんだか、カノンを聴いているようです。


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