まほろぼ
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子供が出来て、何年に1度の里帰りをする。
そうすると、おふくろがよく親父の愚痴を息子の私にこぼす。
その時のおふくろの愚痴の内容のとおりの自分を発見して、ハッとする。
バスルームの鏡に映る自分の姿を見て、親父の顔とダブル時と気がたまにある、その時もハッとする。
いつのまにか親父に似てきた自分を発見する。
そして親父と今まで話らしい話をしてこなかったなぁと一人思い返す。
4年前に相方が、保険金が満期になったから、それを資金にして、親父たちを呼んで両親とわが家の家族旅行の計画を立てた。
旅行先は、両方の間を取って関西地方を旅行することにした。
こちらからは、ワゴン車で家族5人とあと2人(1人は長女の彼氏:その後別れたみたい、もう1人は長男の彼女:こちらはまだ進行形のようだ)が京都駅に向う、両親は新幹線で京都駅に向う。
京都駅で落ち合い、明日香村へ向う、その日は奈良駅近くのホテルで1泊。
ちょうど、東大寺のお水取りの季節だった。
翌日は、京都に向い、清水寺−南禅寺ー金閣寺 それから天橋立で1泊。
天橋立に着いた翌日は、運悪く雨模様だったが、展望台に上った時には、少しばかり雨が上がり、何とか景色を見ることが出来た。
後で知ったことだが、母親は、天橋立に一度は行きたいけれど、生きている間には、きっと行けないな諦めていたとのこと、計画を立てた相方と次女は、そんなことまったく知らなかったとのこと。
それから、京都に戻って、嵯峨野を散策して、京都駅に両親を見送り、私たちは銀閣寺を訪れた。
生憎工事中で、銀閣寺は見ることはできなかった。
という、強行スケジュールの関西旅行ではあった。
奈良に泊った翌朝、親父と私は珍しく早朝に目覚めたので、折角だから朝食前の散歩に出かけることにした。
東大寺の中を通り抜けて、鹿たちがのんびりと散策しているのを見ながら、二月堂に出向いた。
駐車場には、春日山から上る朝日を取ろうとカメラマンが日の出を待っている。
誰もいない二月堂に登り、早朝の奈良の都を見る、靄にかすんだなんともいえない風景に日本人としてのDNAを感じることができた。
その時も、親父と話らしい話はしなかったけれど、かつて怖かった親父がなんだか身近に感じられた。
そんな奈良の風景を歌った曲なんですが、好きなんです。
さだまさしさんの「まほろぼ」です。