160 白い冬
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いつものように朝早く、ここの家のママは起き出して、いつもの洗濯をしています。
そして、僕に向って、
「残念だね。
今日は雨が降っているから、朝散歩はできないね。」って、声をかけてくれました。
すると、ここの家のパパが急に起き出して、出かける準備を始めています。
いつもだと、もっと遅くまで起きているのに、こんな雪交じりの雨の日に起き出して出かける準備をして、そそくさと出かけて行っちゃいました。
ここの家のママは、本日の洗濯を済ませると、今日は外干しができないから、バスルームで室内乾燥だね。
ここの家のママの出勤時間になったから出かけちゃった。
しばらくすると、今度は、ここの家の次女が起き出してきて、そそくさと昼食の弁当を拵えて、朝ごはんを食べている。
そうこうしていると、朝早く出かけたここの家のパパがもう帰ってきちゃった。
帰ってきたなり、ここの家のパパは、PCのスイッチを入れて、PCの前でなにやらカチャカチャとやり始めてる。
お昼近くになって、ここの家のパパは、キッチンに入りなにやらゴソゴソと昼食の準備を始めたみたい。
と、今度は、昨晩出かけていった長男のご帰還だ。
「昼ごはん食べるか?」と、ここの家のパパが、2階から降りてきた長男に声を掛けている。
「昨晩の残りがあるんだよね。」
「ああ、おかずは残っているけれど、ご飯はないよ。
ご飯炊くか?」
「レンチンのご飯があったよねぇ、それをあっためて食べるよ。」と、言いながら冷蔵庫から昨夜のおかずを取り出して、パックのご飯を電子レンジで温め始めた。
そして、チーンという合図の音で電子レンジからパックを取り出して、そのまま食べ始めちゃった。
ようやく、ここの家のパパが作っていたものが出来上がったようだ。
この匂いは、なんだかやけににんにくの匂いがきついんだけれど・・・。
スパゲッティを作っていたんだ。
ここの家のパパは、出来上がったスパゲッティを2皿に分けて、食台に持ってきた。
そして、一皿は自分の座る前に、もう一皿は長男の近くにおいて、ここの家のパパは食べ始めた。
僕は、カーボン式ストーブの前で体を丸くして陣取って、その2人が食べているのを見ているんだ。
食事を終えた長男は、2階の自分の部屋に上がって行っちゃった。きっと、これから寝るんだね。
ここの家のパパは、さっき使ってたお皿を洗い終わったみたいで、TV鑑賞に専念している。
いつのまにか、外は雪が止んで、明るい日差しが入ってきている。
僕は、なんだかそのまま瞑想に耽っていることが出来なくなって、PCの前の椅子に座っているここの家のパパの足元にじゃれついて、僕の念を送るんだけれど、理解してくれないみたいだ。
僕の方を向いて、「何・・・何がしたいの。」と、僕に声をかけてくる。
ここの家のパパが、足元にじゃれ付いている僕の頭に手を置こうとすると、僕は咄嗟に逃げる。
そして、PCに向ったここの家のパパの足元にじゃつく。
ということを、何度も繰り返していて、やっと僕の念が通じたみたいで、夕散歩には少し早いけれど、散歩に連れて行ってくれた。
空気は、ひんやりとしているけれど、太陽の光はすごく暖かくて、今朝雪が降ったなんて思えないくらい晴れている。
でも、日陰に入ると乾ききっていない黒い水の痕が、今朝の雪を思い起こさせてくれる。
だけど、歩いていて気持ちいい。
太陽の暖かい光を背に受けて、坂道を下る時、すれ違う自動車の風が僕の毛を揺らしていく。
冷たいんだけれど、気持ちいい。
春が、だんだん近づいてい来ていることを感じさせてくれるような陽気の日差しなんだ。
ここの家のパパがなんだか歌を口ずさんでる。