102  猫とモンシロチョウ

丑三つ時を過ぎて、玄関でガタガタと物音がする。
僕は、不審者が忍び込んできたんじゃないかと、激しく吠え立てた。
当然、ここの家に一宿一飯の恩義がある身分だもの。
ここの家のパパは、まだ起きていたので、僕の吠え声を止めさせようと僕を抱き上げた。

ここの家の長男が、仕事を終えて帰って来たんだ。
僕も、不審者じゃないことがわかったので吠えるのを止めた。

風呂から出てきた、ここの長男が、
「腹減った。
何かある。
夕飯のおかずは何。」と、おっとりとした質問。
ここの家のパパは、「ご飯はあるけれど、おかずはないんじゃないか。
ビールがあるからそれでも飲んでおけば。」と、淡々と答える。
「ああ、わかった。」と、昨夕の残り物を暖めなおして、食卓で食べ始めた。
「ビール飲む?」と、ここの家の長男に勧められ、ここの家のパパもコップの準備を始め。


 「夜が明け始めたから、寝るよ。」と言って、ここの家の息子は自分の部屋に引き上げた。


そして、今日の朝散歩は、ここの家のパパも行って来た。
結局、ここの家のパパの睡眠時間は、3時間ぐらいなのかな。
まぁ、僕も同じか。
今日の散歩のエピソードは、2つだよ。
一つは、駐車場で見かけた光景といつもの長細い公園の光景だ。
駐車場で見かけたのは、2匹の猫が互いに見合って座って、すごく変な声を出し合ってる。
喧嘩だったら、2匹の猫の尻尾はもっと脹れて、もっと緊迫感があるはずなんだけど。
喧嘩じゃないみたいだ。
ここの家のパパは、その2匹の猫の展開に興味を持っているみたいだ。
だけど、僕は猫族のことは、全く興味ないから、散歩継続だ。
それから、もう1つの光景は、いつもの長細い公園に入ったときのことだよ。
草叢の上を2匹のモンシロチョウが、仲良くでもちょっと距離をおいて、まるでおしゃべりを楽しんでいるように舞っていた。
僕は、近くの草叢に鼻を突っ込んで、匂い探しに夢中だけど。
そこから、大体10メートルぐらい離れたところでは、1匹のモンシロチョウがまるでフワフワといじけているようでもあり、孤独を楽しんでいるような感じで舞っていた。


その公園を出たときに、まえを僕の仲間が歩いていた。
僕は、その仲間に追いつこうと小走りになった。
後もう少しで追いつけるのに、ここの家のパパは、
「チーズ、そっちじゃない。
ここの交差点で曲るんだから。」って、方向転換させられちゃった。
それに、交差点の青が点滅していたみたいで、
「早く、渡るぞ。」と、ここの家のパパの声。
僕は、後ろ髪を引かれるように、仲間のうしろ姿を目で追いかけてるのに。



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