生物資源豊富な日本
- 作者: 足立直樹
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/09/23
- メディア: 単行本
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昨日に引き続いて、足立直樹さんが書かれた「生物多様性経営」です。
私たちは、「日本は、資源が乏しい国」という教育を受けてきたと思います。
また、マスコミ等もそのように喧伝していると思います。
ところが、この本を読むと、実は日本という国は「生物資源」という観点で見ると、とんでもなく「生物資源の豊かな国」だということがわかりました。
本当に、目から鱗が落ちました。
というのは、わが国は、国土の周辺が海に囲まれた島国です、そして国土は66%が森林です。これは、世界で3番目に高い割合なんだそうです。
ということは、多種多様な生物が生育する可能性が十分にあるということです。
水域には、植物プランクトンが生息し、それを食べる動物プランクトンや魚などの水産資源があります。
豊かな森林には豊かな水源もあり、また日本の雨量も生物にとっては絶好の環境のようなのです。
こういう生物資源が、今後経済的利益をもたらす可能性が十分にあるんだそうです。
ところが、そこに住むわれわれ日本人が、その価値を知らないというのが現状です。
そして現在、わが国には、そういう生物資源も、遺伝子情報も、海外に持ち出す制限はほとんど無いのだそうです。
ということは、そういうことに詳しい海外から、日本人が知らない間に持ち出されているという可能性もないとはいえないのです。
もっと、面白いのは都市鉱山って知ってますか。
これは、資源廃棄物として捨てられている電化製品の部品には貴重な金属資源が含まれているわけです。
回収して再生すれば、まだまだ利用可能なんだそうです。
これが一番大事なことだと思うのですが、そういう生物資源を活かす術を日本は多くもっているのだそうです。
と考えると、この国は宝の持ち腐れ状態になっているというわけです。
現在の経済的な価値観で考えると、無価値と思われているものが、生物資源という価値観で見直すと、とんでもなく資源豊富な国だということです。
あとは、この豊富な資源をどうやって活かすかということを考えればいいわけです。
これからの日本、結構前途は明るいじゃないかと、希望が見えます。