ゴーギャンの問いかけ

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 昨日のエントリーの続きです。
 「第1章 癒し合う出逢い」というタイトルで始まります。
 この章に書かれている内容は、フランスにあるピレーネ山脈の麓にある「ルルドの泉」を訪問した内容が記載されています。
 しょっぱなから、私は、「へぇー、そういう癒しの泉があるのか。」という驚きです。
 そして、この泉には、常駐する医師がいて、奇跡体験をしたとの報告を受けると、医学的に証明できるかどうか検証をしているのだそうです。また、臓器移植研究の基礎を築き、ノーベル医学・生理学賞を受賞したアレクシス・カレルさんも訪問し、奇跡的な癒しを体験した実例に接したとのことです。
 その医師団の代表医師の言葉を紹介しています。
 「人間の限られた理性では理解できない不思議な現象は、この世の中に少なからずある。それが科学的に証明できないからといって、存在の事実を否定できず、それを非科学的であるともいえない。それを否定すること自体が非科学的ではないか」
 それを受けて、近藤裕さんは、「ひとつの不思議な出来事がその当事者にとって素敵な体験であれば、その人にとっては『奇跡』として受け入れられている。そういうワンダーフルな出来事が、ルルドでは日常的に起きているように私には思えた。」と感想を述べられています。
 それから、近藤さんがルルドでの「癒された」体験談から、本業のカウンセリングにおける「癒し」に関する経験談を通じての自分の「癒し観」が展開されます。
 その後、もう一人の著者である太田塁さんが、始めて「ルルドの泉」を体験した記録が続きます。
 第1章の締めくくりに、二人の対話が展開していきます。
 「ダイアローグ1 聖地で、ホリスティックな癒しを体験」というテーマで対話が始まります。
 まず、ルルドのボランティア活動をしている人の純粋さ、人間性の疎外について、解決策として「癒し合う関係」作りの重要さ、それによって本当の自分と向き合う、そして自分との対話をすることによって、自分の人間性の回復を求める心が芽生え、そして疎外されている他者との会話の可能性へのつながり、あるいは生命の根源としての自然や宇宙との対話へのつながり、そして対話の重要性を述べらています。
 ポール・ゴーギャンの問いかけである「我々はいずこより来るや、我々は何者なるや、我々はいずこへ行くや?」を、これを近藤さんは「魂の疼き」と言う言葉で表現していますが、この「魂の疼き」の問いかけを人間いつかは出会うときがくる。自分自身にその問いかけを続けることが、人生の旅であり、人生の旅のおもしろさではないか。という言葉で本章は締めくくられています。

 近藤氏の人間観として書かれている部分を少し長くなりますが、引用します。
「人間誰しもが持っている、人間性をリスペクトする、敬意を示すもの。人間というのは基本的には優しいんだ、と思うんです。優しさはみんな持ってる。たまたまその優しさが表現されない文化であったり、環境であったりするけれども、基本的には僕は人間というのは優しさを持っていると思う。なぜかと言うと、それは「人間」だから。つまり、人は決して一人では生きてはいけない生き物だから。他の人たちと共生するためには、相手を倒すか、相手に優しくしてお互いに生き延びていく道を考えるか、このどちらかだと思うんですよ。」

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