120 おばあさんとシュウヘイ君

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暗闇坂の樹影を通り抜けるとバス通りにぶつかるんだ。
そのバス通りを越えたところに大きなマンションが建ってる。
そのマンションの前の縁石に腰掛けたおばあさんとベビーカーに乗っかった仲間が
居るのを見つけた。
僕は、その道を通り抜けたいんだ。
なのに、ここの家のパパは、僕のリードを強く引っ張る。
僕の前を自動車が通り過ぎてゆく。
「危ないだろう。」とここの家のパパの声。
それから、僕たちは自動車が来ないのを確かめて、横断する。
おばあさんは、僕においでおいでと手招きをするんだ。
だけど、僕は恐る恐る遠まわしに近づいていく。
ここの家のパパは、そのおばあさんが座っている縁石に座り込んだ。
仕方がないので、僕もそのおばあさんの足下に近づく。
でも、ベビーカーに乗っている犬が気になるんだよ。
彼は、ベビーカーに乗っかったままの状態で、おばあさんが
「シュウヘイ降りる?」って手を差し伸べても知らん顔してる。
「昨日今日と涼しいね。」って、おばあさんがここの家のパパに話し掛けてる。
その間、僕はやっぱりベビーカーのシュウヘイ君が気になるから、
ベビーカーに近づいて、前足をベビーカーに乗っけて、彼と遊ぼうとするんだけれ
ど、知らん顔。
やっと、ベビーカーから降りる気になったみたい。
おばあさんに抱かれて降りてきた。
それから、僕たちはお互いの匂いかぎをする。
だけど、僕の悪い癖で、男の子にはすぐ飽きちゃうんだよね。
おばあさんは、ベビーカーに取っ手に提げていたビニール袋から、
何か食べ物を出して、
「最後の1コだけど、食べる?」って、僕にくれようとしたんだ。
それなのに、ここの家のパパは、
「いや、結構ですよ。」って、断っちゃった。
そこへ、今度は別の仲間が同時に2匹やってきた。
同伴の女の子と来たダックスフンド君は、すぐに僕たちの中に入ってきた。
僕とダックスフンド君のリードが絡まっちゃって、大変。
だけど、ダックスフンド君は、すぐに女の子に引っ張られて立ち去った。
僕も、飽きてきちゃったので、立ち去ろうとするんだけど。
やっと、ここの家のパパも、散歩を再開する気になったみたいだ。



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