チーズの目 82

今朝は、ここの家のパパが、6時前から起き出して、部屋の中をウロウロしている。
僕は、いつでも散歩ができるように背伸びの準備体操、座って出て行くのを待ってるんだけれど、僕の気持ちを察知してくれない。
やっと、出かける気持ちになったみたい。
さすがに、こんな時間だと誰も歩いていないと思ったら、ゴルフ道具を担いだおじさんがいた。
今日の空は、町全体が雲に覆われていて、街灯も灯ったまま。
まだ、町は起き出す前の状態だよ。
大きな道も、サァーと自動車が1台過ぎ去って行くぐらいガラガラ状態。
いつもの長細い公園には、夾竹桃の花がちらほらと咲き始めてる。
公園の中は、僕たちだけ。
公園を抜けて、また大きな道沿いに歩いていると、向かいから仲間が近づいてきた。
僕は、その同伴者の男の人の足下に近づく。
「人間の方が好きなんですか?」と、その男の人は、ここの家のパパに聞いた。
「そうなんですよ。」と、短く答えて別れた。
いつものコースを歩いていたんだけれど、僕の気まぐれでまた立ち止まって、先に進もうかどうか考え中のポーズを取っていたら、ここの家のパパに抱き上げられ、引き返すことになった。
引き返す途中に、道端にうずくまっている男性と自転車に片足をつけ立ち止まっている人に出会った。
ここの家のパパも、立ち止まって、その会話の一部を聞いていた。
道端にうずくまっていた男性は、街路樹に結わえたガラス瓶の口に花を立て、そのガラス瓶の周りにジュースの中身を撒き、そのガラス瓶の周りをきれいにしてたんだ。
二人の会話でわかったのは、ここで、息子さんを交通事故で亡くしたんだって。
夜中の出来事だったみたい。
その話を着ていたここの家のパパは、なんだか重たい気持ちになったみたい。
でも、話していたお父さんの顔は、少し沈鬱そうだったけれど、いつまでも悲しみを引き摺ってちゃいけないっていう顔にも見えた気がしたんだ。
冥福を祈ります。
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