１１７ 入れ知恵？

ドーン、ドーンと空砲が聞こえる。

今日は、隣の区の花火大会があるんだって。
それを知らせる空砲なんだって。
その空砲を合図に、僕たちは夕散歩に出た。
今日は、多少が風が吹いてくるから、暑くはないよね。
いつもの長細い公園を抜けて、ちょっと曲って県道に出る。
交差点を通り過ぎた先にのコンビニの前に、
仲間が１匹リードに繋がれている。
僕は、その仲間に近づき、匂い挨拶をして、すぐに立ち去った。

またまた、
ドーン、ドーンと空砲が聞こえる。

今日は、涼しいから歩きやすい。
でも、途中で立ち止まり、ここの家のパパをつぶらな目で見上げたんだ。
だけど、今日は、ここの家のパパ、誰かから入れ知恵されたのか、
抱き上げてくれずに、
「これ以上歩けないのなら、引き返す？」って、聞いてくる。
「僕は、このまま進む。」という意思表示をする。

途中、４５年飼ってたおばさんの家の前で、庭掃除をしているおばさんに会った。
そのおばさんの足元ちかくに、仲間が残した匂いの跡で少し濡れたところがあった。
僕は、そこに鼻を近づける。
と、そのおばさんは、僕を見て
「あれ、どこかでみた顔ね。
仲間のおしっこのにおいがする？
早くおしっこしなさいよ。」と、僕を急き立てるんだ。
僕は、その湿り気のある土を前足で掘り、その上に・・・。
おばさんが、急き立てるから出ないまま、その場を離れた。
それから、おばさんに「さよなら」を言った。

今日は、何とか独力で完全踏破したよ。

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