隔離

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読み終わったら詳細内容を報告しますと言っておきながら、もう次の本の紹介をするのは気が引けるのですが、つい読んでいてなんとも言えない憤りを感じたので、…。
それは、徳永進著「隔離」です。

今までこのような事実があることを知りませんでした。
癩病と言えば、古くは光明皇后癩病者の膿を啜られたところ、じつは…とか、
一遍上人とか、忍性さんとか、戦国時代は大谷吉継氏とかを思い出します。
それから、「ブラザーサン シスタームーン」の聖フランチェスコさんとかが思い出されます。
戦前から戦後において、癩病に罹った人を生まれ故郷から人里離れた場所に、一応本人の了解を得た上でということになってますが、国家権力が半強制的に移住させていたと事実を知りませんでした。
本書は、こうして故郷を追われた人たちの回想を著者が聞き取りした話をまとめたものです。
読んでいて、なんとも言えなく切なくなります。

その中のエピソードとして、話者が、実の母親から「戦地に行って、流れ弾に当たってくれ。」と言われたとのことです。
こんな言葉を口に出さなければならないほど、母親も周りの人から圧力をかけられていたということなんだと思います。