こころでは……

読了本の紹介です。

そうかもしれない

そうかもしれない

本書は、別の本を読んでいた時に参考文献として記載されていたもので、どの本に紹介されていたのか忘れてしまいました。
物忘れが激しくなり、高齢者の仲間入りです。(苦笑)
そして、本書ですが、映画化にもなった作品だそうです。
著者の生々しい体験を赤裸々に描いてます。
著者自身も口腔底癌に罹りながら、脳軟化症でボケ状態になって行く配偶者を介護し続け、最終的には配偶者を老人ホームに入所させ、自分は闘病生活に入っていきます。
「命終三部作」(本多秋五氏の命名)との副題があり、連作です。
結婚して50年を共にした配偶者が徐々にボケ状態になって行く状態が描かれています。
読みながら、著者の「書く」という執念に頭が下がります。
こういう状況のなかで日々の生活を描いて、尚作品として残していくという執念です。
それは、配偶者をボケ状態にさせたのは、自分のせいだという自責の念かもしれまん。
それは、一生独身を貫き、勉学に励みたいという配偶者を結婚に踏み切らせ、その後50年間日常家事だけではなく、生活費を助けてもらったという負い目を感じながらも、自分の生活を優先させてきた著者の半生を顧みたのちに出てきた思いです。
配偶者がボケ状態にならなければ、出てこなかったかもしれないです。

と書きながら、自分の半生を振り返り、著者と同じ気持ちになっています。
しかし、これは素直に表現できないです。