原発関係の著書紹介
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通勤途上で読んでいる 武田徹さんの「わたしたちはこうして『原発大国』を選んだ」も佳境に入っています。
敗戦後、「原子力的な日光のなかでひなたぼっこをしていましたよ」という言葉が象徴する状況でわが国の憲法が成立したとのことです。
著者は、加藤典洋さんの『敗戦後論』で始めて触れたとのことでした。
原典は、マーク・ゲインさんの『ニッポン日記』とのことです。
というように、著者は、今まで刊行された原発に関する書物を基に、エポックとなる時代論を展開していきます。
もともとは、わが国の原発の安全性に対して、スイシン派とハンタイ派それから大多数の無関心派の不自然な状況を打開するために書かれたとのことです。
取り上げられている参考資料に直接触れてみたいという気持ちになっています。
そして、併読している 松井英介さんの「見えない恐怖 − 放射線内部被曝」は、いろいろと新しい情報に触れることができます。
- 作者: 松井英介
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「被曝はスローデス(時間をかけてやってくる死)を招くものです。死は20年も30年もかけて、ゆっくりとやってきます。原子力産業はクリーンでもなければ、安全でもありません。」
それから「ECRRの外部被曝モデルと内部被曝モデル」です。
内部被曝モデルは、「セラフィールド」「アイリッシュ海効果」「チェルノブイリの子どもたち」「ミニサテライト突然変異」「核実験放射性降下物によるがん」「劣化ウランに被曝した湾岸戦争帰還兵」「イラクのこどもたち」
わが国では、「フェロシルト不法投棄」とか「トラトラスト」も内部被曝モデルに入るんだそうです。
* フェロシルトとは、四日市喘息の被告六企業の一社、毒性の強い「ホスゲン」の無届け大量製造などでしられる大手化学メーカー石原産業がチタン製造の過程で出てきた産業廃棄物を土壌補強材、土壌埋戻材として商品化したもの。そのなかに、放射性物質のウラン238とトリウム232が含まれていた。
多くが撤去・除去されずに、かなり身近な土壌中に残っているんだそうです。
それから医療関係の「トラトラスト」問題、これにはトリウムが含まれていて、これが原因で肝臓ガンが出てきているんだそうです。
一過性の外部被曝より怖い「内部被曝」は、米国およびわが国の政府および原子力産業会にとっては、認めたくないようです。
一時期「直ちに健康への影響はない」と言われていたけれど、これは外部被曝に関してであり、内部被曝に関しては、何もコメントしてないです。
こういう政府のしせいだから、原爆症認定裁判が、いまだにつづいているということなんだと改めて痛感しました。
読み進めていくうちに、いろいろと今まで気づかない間に、いろいろと怖いことを政府が進めてきたんだということがわかりました。
「放射性廃棄物『スソ切り』」問題とか・・・。
今の民主党政府は、自民党時代よりも、もっと原発をどんどんスイシンしていこうとしていたのに、こんなことになってしまって、どうするんだろう。
エネルギー問題を口実に原発を進めてきて、口では決して言えないけれど、わが国のベスト&ブライテストたちは、ゆくゆくは核兵器を持ちたいという気持ちがあるから、いまだに原発を諦めきれない、そんな感じがしてます。
いままでに代替エネルギーを取り入れる契機はいくらでもあったはずなのに、いろいろと理由をつけて、電力会社と既得権者の利益を手放したくなかっだけという感じがします。
そして、いまだにそれを言い続けている人たちは、よほどおいしい味をしめているとしか言いようがありません。
不思議なのがマスコミ、原発推進のいちばんの後ろ盾が某新聞社だから、これはしょうがないか。
代替エネルギーの利用者が増えれば、生産コストは下がっていくはずで、それがいまだに下がらないって言うのは、その代替エネルギー生産者が利益を独り占めにしようとしているのか、それを阻止する団体があるってことなんでしょう。