里心
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中央公園を抜け、国道を横切る高架橋の上から、東京方面を見る。
信号待ちの赤いテールランプが、夜の闇の中で光ってます。
この道をどこまでも南下していけば、都内を抜けて、中部地方も抜けて、関西地方を抜けると故郷の中国道へと繋がっている。
夏の夜空を見上げると、ポッカリと黄色い月が浮かんでます。
日中の暑さは、どこかへ消えてしまい、涼しい夜風が東京方面から吹いてきます。
今こうして見ている黄色い月を、どこか遠いところからも見ている人がいるかもしれないなぁ。
そんなことを思いながら、
胸ポケットから「ショートホープ」の箱からタバコを1本抜き出して、タバコに火をつけています。
でも、通り過ぎてゆく風がなんどか百円ライターの火を消していきます。
タバコをくゆらせながらボケッと高架橋の下を通り抜けてゆく自動車を見ていると、ほんの少しですが里心がつきます。
今頃、両親は元気に暮らしているんだろうかって。
というのは、今日、ご利用者の家族の方が、通院のため来所されたのですが、その送迎の手伝いをしているとき、
「仕事とはいえ、この暑さの中でよくやるよね。
俺の場合は、自分の親だから仕方なくやってるけどね。」って、一言残して、出かけられました。
私としては、苦笑いをするしかなかったです。
そんなことがあったので、ふと両親のことが気になったんです。
元気で暮らしているんだろうなぁ。