帰宅願望
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同じ質問を何度も何度も問いかける人がいます。
どんな質問かというと、「私を家に帰してください。」
「どうして、ここに私がいるのかわからない。
すぐに家に帰してください。」という質問です。
これは、帰宅願望というものらいしいです。
いままで、そんな事象があることをまったく知りませんでした。
家族にしてみれば、日中誰も居ない自宅で、一人で過ごされるのは何か問題起きたらと思うと心配だから、施設に介護をお願いするわけですが、当の本人はどうしてその施設に自分がいるのかが理解できない。
今までどおり、自宅で過ごしたいのに、なぜだか施設で過ごさなければならない。
できれば、そういう施設にいるよりも、自宅で過ごしたい。
だから、すぐに家に帰りたい。
「あなたの家族の方に頼まれて、ここで過ごしているのですよ。
お金のことも全く心配ないのですから、安心してここで過ごしてください。
あなたの周りには、沢山のお友達がいるのだから、その方たちとお話して過ごしてもいいのですよ。」と説明しますが、すんなりと理解してもらえません。
それよりも、早く家に帰りたいという主張を繰り返すばかりの堂々巡りです。
それで、
「どうしてそんなに家にかえりたいのですか。」って問いかえる。
「家には女房がいるのだから、女房に会いたい。
ここにいるより自分の家のほうが、好き勝手なことができるから、すぐに帰りたいんだよ。」
「ここでも、あなたが思うとおりに過ごしていいんですよ。」
「ここは、退屈だよ。
何もすることが無いじゃないか。」
「おうちではどうだったんですか。」
「家に居るときも、何もすることが無かったけれど、ここにいるよりいい。」
「どうして、ここがそんなにいやなんです。
あなたの周りに沢山の友達がいますよ。
その人たちとお話すればいいじゃないですか。」
「いや、人と話をするのは、億劫なんだから、頼むから家に帰らしてくれ。」
この方は、ここにいる不安感があって、それが帰宅願望になっていると理解しました。
だから、その不安感をどうやって取り除けるだろうかと思案中です。
自分の対応方法が誤っているかもしれません。
だから、いろいろと関連図書を読み漁っています。
そこには、共感法とか回想法とかのケアの仕方が書かれています。
それを、参考にしながら、これからも研鑽して行こうと思う一日でした。