162 「綺麗な目だって」

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 いつものようにここの家のママと次女は、午前中に出かけた。
 そして、ここの家のパパも午前中に出かけた。
 僕は、久しぶりに留守番だ。
 ここの家のパパが出かける前に、いつもとちがう動きで、おかしいなとは思ってはいたんだけれどね。
 とりあえず、日向ぼっこをすることにしよう。
 
 夕方近くになって、ここの家のパパが帰ってきた。
 それで、僕は嬉しくてすぐに外へ行きたいって玄関口の戸の横の壁に前足を掛けて、デモンストレーションをするんだけれど、ここの家のパパは僕の思うようには動いてくれないんだ。
 だって、スーツから普段着に着替えて、それから裏庭に干してある洗濯物と二階に干してある洗濯物を取り込ん出る。
 いつもだったら、それが終わると出かけるんだけれど、PCを立ち上げて、キッチンでお湯を沸かし始め、PCの前に戻ってきて、カチャカチャとキーボードを叩いて、メールのチェックをしているみたいだ。
 お湯が沸いたみたいで、キッチンに行って珈琲カップを持って来た。
 珈琲を飲みながら、PC画面を見ている。
 なかなか、PC画面から離れようとしない。
 PCの終了作業が始まったから、やっと出かける気になったみたいだ。
 
 今度こそ、夕散歩だな。
 今まで、ずっと誰もいない部屋に閉じこもっていたから、嬉しくて駆け出してしまった。
 今日も、天気が良くて気持ちがいい。
 道端の草の匂いを嗅ぎながら、いつもの場所でマーキングをするんだ。
 今日のペットランドの前には、友だちが3匹いた。
 といっても、僕は友だちより、同伴のおばさんたちに頭を撫でてもらうのが好きだから、そのおばさんたちの足元に縋りつくんだ。
 それから、いつものコースを歩いていたら、僕と同じ種類のマルチーズに出会った。
 ちょっと挨拶を交わしたんだけれど、向こうは僕を警戒していて、上手くコミュニケーションがとれなかった。
 
 僕の家の近くで、僕の知り合いの友だちと同伴のおばさんに出会った。
 僕は、知り合いの仲間よりおばさんに頭を撫でてもらおうと、おばさんの足に掴まり立ちを試みたんだけれど、知り合いの友だちのリードと僕のリードが絡まっちゃって、上手くおばさんの足に掴まり立ちができなかったけれど、なんとかおばさんの足に掴まり立ちができたよ。
 すると僕の仲間は、僕の後にお尻のところに鼻を持ってきて、僕の匂いを嗅ぐんだ。
 その間、僕はおばさんに頭と喉の下を撫でて貰った。
 おばさんは、僕の頭と喉の下を撫でてくれながら、
 「綺麗な目をしてるね。」って言ってくれんだ。
 それで、つい僕は嬉しくなっちゃった。
 
 これで満足したから、帰ることにした。
 
 
 

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