蠱
- 作者: 白川静
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1970/04/25
- メディア: 新書
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8年くらい前に一度最寄の図書館で借り出したことがあるのですが、読み続ける知力と勇気と忍耐力がなくて一旦断念していた本ですが、今回松岡正剛さんの「白川静」を読み終えたので、再チャレンジです。
何が読みづらいかというと、とにかく漢字の原型が出てきて、その読み方とか意味とかが頭に入りづらいのです。
メモしながら文章を読まないと、先に進めない。
それと中国の歴史と文化についての基礎知識が必要です。
しかし、こんなに頭が悪かったのかと、自分の脳でありながら実に悲しいやら悔しいやらです。
その中で凄く気になった言葉があります。
それは、この漢字ですが「蠱」・・・読めました?
これは災いをもたらすものと考えられ、自由自在に動き回る呪霊でまた神出鬼没のものだから、蠱を防ぐことは簡単じゃなかったようです。
蠱を地中に埋めると地中を通りぬけて目指す相手に悪さをしでかすそうです。
これが埋蠱という方法だそうです。
そして、蠱は風に乗って自在に飛行し、これを風蠱(ふうこ)と呼ばれたそうです。
このように自由自在で出神出鬼没な蠱を見つけるために利用されていたのが嗅覚の鋭い犬なんだそうです。 犬だけではないようですが、そういう動物達を犠牲にして蠱が入ってこないように街の門にかけていた堂です。
農作物につく虫害なども毒蠱のしわざだということで、薬草を焼いて蠱気を払ったとのことです。
人に害をなす「蠱」って、現代では何を指すのかなと、読みながら思いました。
当時の人たちは、人に害なすもの人の力では対抗できないものに対して、日頃からいろいろと崇め対策を講じていたとのことです。
決して迷信とか非科学的だとかの言葉では言い切れない、人類の叡智を感じました。