酒と涙と男と女
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今朝の朝日新聞を読んでいて、「人とのつながり」が、すごく必要な時代なんだと改めて思いました。
特に、退職後の中高年男性にとっては、切実な問題のようです。
会社を辞めて肩書きがなくなり、気づくと家の中にも自分の居場所がなくて、まして近所づきあいなんて今までまったくない状態ですから、外に出るのが億劫になり、家の中に閉じこもりがちになるとのことです。そして、もてあました時間を、だんだんとアルコールで埋めるようになるとのことです。
ここまでのことは、過去読んだ心理学者の先生が、実態調査された内容と一致しています。
それから、単身家族の場合は、家屋がゴミ屋敷化になってしまうとのことです。
ここまでくると、橋本治さんが書かれた「巡礼」の主人公の世界になってきます。
ということは、現在の日本では、「巡礼」に描かれた生活は特殊なことではなく、一般的になりつつあるということなののでしょうか。
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中高年の失業体験と心理的援助―失業者を社会につなぐために (シリーズ・臨床心理学研究の最前線)
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私の場合は、心理学者の先生が書かれた本を読んでいたので、そういうことにならないためにこちらの「はてな」さんにお世話になったのは、先日エントリーした内容とおりです。
そういえば、昨年の9月に地元の市民活動センターの勉強会に顔を出していたときにも、地元でNPOを立ち上げられた方が、自分たちのNPOを立ち上げる経緯を述べられた時に、「人とのつながりの場」を作りたいという内容のことを言われたのを思い出しました。
そうやって、能動的に動ける人はいいけれど、そういう人ばかりじゃないから、きっと問題なんですよね。
では、どうやって問題解決を図ればいいのかというと、そう人たちに何らかの形で「一緒に遊びましょう」という声かけをすればいいんでしょうが、そういう人たちはなかなかその掛け声に乗ってこないんですよね。
なんか裏があるんじゃないかとか、誰かの売名行為のために利用されるんじゃないかとか、今までの経験がつい邪魔して、つい斜めから見てしまうじゃないかなと。
自分の弱さを見せることが、とっても苦手なんです。
マスゴミは、「勝ち組」がいいことで「負け組」は、「駄目な奴で人生の脱落者だ」みたいなことを言って煽り立てるから、余計自分の弱さを表明するなんて出来なくなっているんだろう。
昔だったら、酒をちょっと多めに飲んで、酒のせいにしてしまうってこともできたんでしょうけれど、今そんなことをやると、そこでまたマイナス点をつけられてしまう。
今は、かつてほど浴びるほど酒を飲む機会自体がなくなってきているから、かつてのように「ガス抜き」もしにくい時世になってきているのではないかと思います。
そんな時、こういう歌が胸にジーンと来るんです。