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　今回は、読み終えるまでに、少し時間が掛かりました。

繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史（上）

　

繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史（下）

　人類１０万年の歴史を「繁栄」というテーマで綴っています。
　繁栄は、「交易と専門化」がキーワードになっています。
　これを個人に置きなおすと、自分の殻に閉じこもるのではなく、オープンにして人と交わることにより、いろいろな人脈を作り、得意な分野の仕事はその人に任せて、お互いに生活を高めていこうということではないかと理解しました。
　今まで、沢山の悲観論者が、人類の未来に対して憂えて暗い設計図を描いてきました、また、今も描き続けられていますが、人類の歴史は悲観論者が悲観されるほどには、決して悪くはなっていなくて、段々よくなっているということをいろいろな切り口から調べられた内容を綴っています。
　逆に、悲観論者が述べられた内容についての対策を講じることによって、逆に人類の汚点を残すことにもなっていることがわかりました。
　特に、１９７０年代に人口抑止策としてアジア（特にインド、中国）で行なわれた、女性および男性に行なわれ不妊手術などである。
　また、バイオエネルギーを作るために利用する原料・土地等が、逆に環境に悪影響を与えているということなどです。
　実に、示唆に富む内容が書かれていて、面白かったですね。
　最後に、経済学では「収穫逓減」（使えば使うほど減っていく）が言われていますが、逆に知識は使えば使うほど増えていく「収穫逓増」になっているというと示唆はまさしくその通りだと納得です。
　そして現代は、ネットワークを通じて、この知識が瞬時にして、世界を駆け巡らせることができる時代になったわけです。
　より住みやすい世の中にするための知識を皆で共有できる世界が、作れると言うわけです。
　それは、ジョン・レノンさんが「イマジン」で描いた世界をつくるための知識であって欲しいと思います。
　　

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