日本語の特殊性
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今、内田樹さんの「日本辺境論」を読み終えたところです。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/11/01
- メディア: 新書
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それは、庄司薫(福田章二さん)さんの「赤頭巾ちゃん気をつけて」の4部作の主人公の薫くんと内田さんは、同い年だったんだと、「だから、なんだ」って言われると、もうそれ以上は言うことはないんだけれど、もし薫くんがあのまま順調に成長していたらと想像する時のひとつのメルクマールになるかなと思ったんです。
でも、小説のなかの薫くんは内田さんとは違って、法学部を目指していたから、仮に思惑通りにいったとしたら、霞ヶ関の官僚になっていた可能性が高いのかもしれない。
いや、著者と同様に作家になって、一躍有名になり、その後某有名ピアニストと結婚して、隠遁生活しちゃったかもしれない。
というような妄想は置いといて、ただこの本の中にその庄司薫さんの大学の恩師に当たる丸山眞男さんが書かれた著書を解説したくだりがありました。
丸山さんの本を読んだ時には、書かれている内容が、すごくわかりにくくて頭の中に入ってこなかったんです。
だけれど、内田さんが書かれた解説を読んでいると、幾分かは理解が出来たように思ったんです、もしかしたら、錯覚かもしれませんが。
というのは、日本語には、「真名=漢文」と「仮名=カタカナ文、ひらがな文」があって、「真名=表意文字」で「仮名」は表音文字にあたるのだそうです。
ということは日本人は、文字を視覚的に入力しながら、脳の中で漢字を図像対応部位で、かなを音声対応部位でと並列処理という複雑なことをしているのだそうです。
そして、先ほどの丸山さんが書かれている文章は、「真名」に相当し、それを内田さんが「仮名」に翻訳をしたから、わかりやすくなったということでした。
なるほどなぁと、目から鱗状態で、いたく感心した次第です。
そして、この本のテーマはなにかというと、はしがきに書かれていますが、「日本は辺境であり、日本人固有の思考や行動はその辺境性によって説明できる」ということです。