[日記][チーズの目]152 コバルトの空

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昼過ぎには、午前中の雲が何処かへ飛んでいってしまったようだ。
今は、コバルト色の空が広がっている。
窓から入り込んでくる風は、少しばかり冷たさを感じる。
そんな外の景色をボケッと見ていると、遥か屋根の上をジェット機のエンジン音が近づいてくるのが聞こえてきた。
窓から顔を出して、エンジン音のする方を見上げると、白いジェット機が北の方向へと遠ざかって行く。
そんな午後の心地よさを味わっていると、頭のずっと奥のほうから、不思議な力が両目のまぶたをググッと引っ張られるように眠りの国に誘い込まれそうになった。
その時、階下から、哀れさを帯びたチーズの幽かな遠吠えが聞こえた。
まだ、夕刻の音楽には、少しばかり早いのだが。
仕方ないと、夕散歩に出掛けることにした。

[チーズの目]
今日は、夕方の市内放送が始まるには、一寸早かったんだ。
だけれど、僕は軽く遠吠えをした。
そうしたら、ここの家のパパが2階から降りてきて、夕散歩に連れて行ってくれるようだ。
僕たちは、玄関を出た。
僕は、隣の家の縁石に後ろ足をちょっと上げながら、ちらっと空を見上げると、コバルト色の色の中に、サッサッサと軽く絵筆をひいたような白い雲が浮んでいるのが目に入った。
横断歩道を越えて、いつもの長細い公園に着いた。
公園には、誰も居なくて、通り抜ける間も、僕たちだけだった。
消防署横の十字路には、先週の日曜日から交通整理の係りのおばさんが立っている。

マンション横の小さな公園には、小さな子どもたちと若いママたちがいて、ママたちは情報交換をしているようだ。
歩道のなかで何か話している子どもたちの横をスイスイと通り過ぎる。
坂を下った十字路には、信号待ちのサラリーマンが二人立っていた。
二人とも背広を着用して、首にネクタイを締めている。
片方の人が、携帯電話を耳にあてて、仕事の話をしてるようだ。
「今日から、クールビスが終わって衣替えなんだ。」と、ここの家のパパから教えてもらう。

いつものコースをぐるっと回って家の近くに帰ってきた、若いお姉さんに同行中の仲間に出会った。
ぼくは、若いお姉さんの足元に駆け寄って、お姉さんの足元に「待て」の姿勢で座わった。
そうするとお姉さんは、ここの家のパパに「行儀のいい犬ですね。」って言いながら、膝を折って中腰になって、僕の頭を少し撫でてくれた。
それを受けて、パパは「そうでもないんですよ。」と軽く受け流した。
お姉さんの同行の仲間は、あまり僕を歓迎してないみたい。
「ソラの方が、大きいのだから。」って、お姉さんは仲間を僕から離して、そのまま仲間と一緒に立ち去った。

家に帰って、足を洗ってもらうんだけれど、なんだか今日の水は、冷たく感じた。
だんだん寒くなっているんだ。

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