電車の中で 1

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片道1時間半の通勤電車に乗って会社に通っていた頃のことです。
その間ずっと立ちっぱなしは、はっきり言って疲れます。
通勤する時は、運が良ければ、大手町あたりで座れます。
それを過ぎると霞ヶ関、でも表参道駅まで行けば、大体ガラガラになります。
そこからは、座席に座ることができました。
この季節だと、学生さんたちが、夏休みに入ってますので、いくらか空いてます。
少し前の盆休みの間は、余裕で乗車駅から座って通勤もできました。
その時に、私がよく座ってたのは優先席でした。
何故かっていうと、降車駅の階段に近かったんです。
それで、今回このブログに書こうとしたのは、この優先席にまつわるエピソードについてです。



EPISODE 1
帰りは、通勤時と違って空いてました、そんな帰りの電車に乗り一般席に座ってました。
一人の若い男性が、電車に乗ってきて、ちょうど優先席が空いてましたので、その座席にどかっと座り、おもむろに手に持っていた携帯電話でなにやらカチャカチャとやってます。
そこに、車内検札中の若い車掌さんが、その若い男性の前を通りかかった時、若者に一言
「ここは、優先席ですから、携帯電話の使用はやめてください。」と、注意して、そのまま別の車輌に移って行きました。
しかし、若者は、意に介さず、相変わらず携帯を弄くってます。
しばらくして、先ほどの車掌さんが引き返して来て、さっき注意したにもかかわらず、まだ若者が携帯電話を使用しているので、再度
「ここは、優先席ですから、携帯電話の使用はやめてください。
他のお客様の迷惑になりますから」と注意してます。
でも、若者は、「別に他の客に迷惑かけてないじゃん。」と、操作を一向に止めません。
車掌さんは、さっきよりちょっと強い口調で、「いえペースメーカーとか入れられてる方とかいらっしゃるので、携帯電話のご使用をやめてください。」と注意してます。
「そんなお客はいないんだから、別に使っててもいいだろ。」と言って、若者は携帯電話の操作を止めようとしません。
その時です。
その若者が座っている対面の優先席に座っていた若いお嬢さんが、毅然とした態度で若者を睨むようにして言いました。
「私は、ペースメーカーを装着してます。」
その一言で、車内は一瞬静寂の衝撃が走りました。
若者は、車掌にもう何も言い返せませんでした。
自分の携帯電話の操作を止め、上着のポケットにしまいこみました。
車掌さんは、向かいのその若い女性の方に向きを変え軽くお辞儀をして、「ありがとうがとうございました。」と礼を言って、別の車輌に移動して行きました。
若者も、ずっとそのままその座席に座っていることが、苦痛だったんだと思います、次の停車駅でそそくさと下車して行きました。
それを一部始終見ていた私は、自分に対する恥ずかしさに逃げ出したい気持ちを持ちながら、その若い女性の勇気ある発言に心の中では拍手を送ってました。

つづく
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