橋本教の信者?

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昔。
 昔。
  昔。
一昔が十年だから、3つで30年前のことです。
ラジオから『桃尻娘』のドラマを聞いていました、その内容の軽妙かつ親近感のわく女子高生が書いたようなお話につい、引き込まれてしまいました。
その作者が橋本治さんでした。
それから、随分とご無沙汰していたのですが、何年か前に図書館で『ああでもなくこうでもなく』(下調べなしで書いているので、もしかしたら間違ってるかも)と遭遇して、なんとこの人は天才なんだろうと感じ入ってしまいました。
難しい内容を噛み砕いて非常に分かりやすく説明をしていただけるので、ドンドン橋本ワールドの中に引きづり込まれてしまいました。
教組様は、一旦自分のなかに時事問題を取り込んで「ああでもなくこうでもなく」といろいろと考えられた内容を書き綴られてますから、その思考の過程を追体験できるのです。
ところが、その思考の過程が天才なのです。
凡人には思いつかない過程を通るのですが、「なるほど」と納得させられてしまうから、すごいのです。
バッサバッさと俗論を斬り捨てていく、こんなこと言ってだいじょうぶなのかなということをあっさりと書いてしまう、凄さですね。
それで、つい『橋本教の信者』になってしまいました。
といっても、そんな団体はありません。
勝手にこちらが思い込んでいるだけですから。
その教祖様が、戦後3部作を書かれたというので、第1作目『巡礼』を読んだのですが泣きました。
戦後という時代のなかで昭和1桁世代の男性が、真面目かつ誠実に暮らしてきたのに何故ゴミ屋敷の主人になることになったのか、身につまされる内容です。
いまから、第2『橋』,3作『リア王』と読む予定です。
手広くいろいろな作品(『窯変源氏物語』『双朝平家物語』『ひらがな美術史』等)を書かれているので、フォローできない状態ですが、頑張ってみようかなとも、心の片隅で思ってます。

なぜ、これを書いているかというと、今『失われた近代を求めて 1 言文一致体の誕生』を読んでいる最中だからです。
大僧正慈円さんが書いた『愚管抄』(未読)が、『日本最初の歴史小説』だと言われて納得したり。
当時の僧・官吏等も学力低下に陥っていたみたいなんです。
今のこの国だと教育者の力量等についての反省はなく、「学生等に問題がある」と指摘していますが、慈円さんは、そういうことはせず『分かりやすく書いたからこの本を読んで興味があれば原典に当たれ』と、教育者の鑑みたいな方なのです
枕草子』『源氏物語』は、平安当時の口語体文書だと言われると、「そうかもしれない」別段明治になって始まったことじゃないのかと。
これは、谷崎潤一郎さんも同じように考えていらしたようです。
実に、興味深く読まさせていただいているものですから、この記事を書いてしまいました。



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