アスファルト道

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夏の太陽は、ギラギラと熱を放ち、地上の世界を白日のもとに晒す。
アスファルトで舗装された道路は、その熱を保ちきれずそのまま放出する。
とても、人が歩ける道路じゃない。
一人の旅人が、そんな道路を歩いている。
旅人の目には、ユラユラと陽炎が立ち、時折逃げ水が見える。
旅人の顔は熱を持ち、その顔から汗が噴き出る。
旅人の顔からしたたり落ちる汗は、アスファルトの上に落ち、一瞬黒いしみが
できるが、すぐに蒸発してしまう。
旅人が今歩いている道には、日陰なんかない。
かつてのこの国の道には、旅人のための一里塚があった。
そして、こんな暑い日には、涼しい木陰を用意してくれた。
そんな思いやりがかつてあった。
だが、今のこの国のアスファルト道には、そんな思いやりなんてない。
そう、自動車のための道路だから、人が歩くことなんて想定外のこと。
旅人の傍を、時折窓を締め切った自動車が、砂煙を立てて通り過ぎる。
旅人は、歩き続ける、自分の足で。


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