108 サマーカット

昨日の午前中、ここの家のママに連れられて、「サマーカット」して来た。
だから、今僕の両耳には、リボンがついている。
昨日の夕散歩は、ここの家のパパと行った。
その夕散歩の時に、大きな犬を連れたおじさんは僕を見ながら、
「まるで少女漫画に出てきそうですなぁ。」と、ここの家のパパに声を掛けてきた。
「いやぁ、今日カットしたばかりだからですよ。」って、なんだか照れ臭そうに、にここの家のパパは応えていた。
照れ臭いのは、僕の方なんだけど。
僕は、男の子なんだよ。

次に、僕を見て言われた言葉は、
「まぁ、目がパッチリして、可愛いですね。」って。
これは、路上で話していたある家族の母親の言葉。
ちょうど、若夫婦とどちらかの母親が、立ち話していた所に、ちょうど僕たちが通りかかったんだ。
僕は、ついいつものように女性に近づいたんだ。
だけど、女性だったら誰でもってことじゃない。
僕が近づいてって時、僕を見て近づくのを嫌がったり、逃げたりする女性じゃないよ。
たまに、僕が近づくのを嫌がる女性もいるけれど。
そうしたら、その母親から、さっきの言葉を掛けられた。
娘さんが抱いている仲間と僕を見比べて言ったんだとは思う。
だけど、あの仲間は、カットする前の僕に似てた。
ぼさぼさの毛が、パッチリした目を隠すんだ。



そして、今日。
朝から青空で、カラッとして、本格的な夏が来た。
って感じなんだけれど。
玄関を出てすぐ前の家と家の隙間に見える青空、その青空の中に、僕の横顔によく似た雲が、ゆっくりゆっくりと右の方向へ動いて行く。
「お前の横顔そっくりだなぁ、あの雲。」って、ここの家のパパがボソッと言う。
やっぱり、僕に似てるんだ。
流れていくに連れて、雲でできた僕の首と胴体が、前の家にフェイドアウトして行く。



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