中高年デート

私の趣味で「図書館巡り」がある。
最初は、地元から始った。
20年前のことだ。
当時は、インターネットで自宅から検索なんてできなかった。
だから、図書館設置の「検索端末」を利用して、目当ての資料(図書・視聴覚資料)を探す。
そして、見つけたら所蔵図書館へ自転車で出掛け借出しに行く。
予約して届くまで待つということもできるけれど、少しでも早く情報を入手したいという自制力のなさには困り者である。
その後、自宅でネット検索ができるようになり、予約もネットで「可」というかなり便利になった。
受け渡し図書館を設定しておけば、通勤途中で借出しもできる。
特に、最近の都内の図書館は、遅くまで開いてくれるので、本当に遠距離通勤者には便利になった。
ただし、地元の図書館は遅くなったといっても、19時閉館だから、都内通勤者には平日の借出しは時間的にムリ。
なんせ、通勤に1時間以上掛るのだから。
週末は、通勤定期券を使って都内の図書館へ出掛ける。
前置きが長くなった。
そうやって、都内の図書館めぐりを敢行している最中に、よく見かけるのが、「中高年夫婦のデート」。
実に楽しそうに仲良く二人並んで歩いているのだ。
もちろん、二人の会話は聞くことが出来ない。
だから、二人の会話を勝手に妄想する。
青春時代に二人が歩いた道を、再体験しながら、当時のエピソードを語る。
「そういえば、ここに昔喫茶店があったわよね。
ほら、ふたりで何時間も話していた。」
「ああ、そういえば、そんな記憶もあるなぁ。」
「えっ、忘れたの?」と言いながら。。。
または
「ここにあなたの下宿があったわよねぇ。」
「ああ、あの昭和時代のにおいがぷんぷんする4畳半の下宿か。」
「そう、あの部屋でいろいろと話したり、ほらビートルズとかよしだたくろうの『カセットテープ』を聞いたじゃない。」
「ああ、君と初めて。。。」
「もう、それ以上は言わなくてもいいよ。」
「なくなっちゃったのね。
そりゃぁそうよね、あれからもう30年経つんだものねぇ。
今は、マンションになっちゃったんだ。」
そんな会話をしているのかなと妄想しながら、前から歩いてくる二人とすれ違う。
そして、銀杏並木の下を遠ざかっていく二人に、すごく優しい気持ちにしてくれた感謝を込めて「ありがとう。」の言葉を添えて送ろう。

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