平日の公園

 遠くでホイッスルの音が「ピッ。ピッ。」
 すぐに、子供たちの元気のいい掛け声で「ファイト。」と聞こえてくる。
 姿は見えないけれど、きっとどこかの幼稚園の遠足だな。
 
 向かう岸からは、草刈の機械音が大きな音を響かせて聞こえてくる。
 水辺を渡る風は、気持ちよく通り過ぎていく。
 若い釣り人たちは、水辺に棹を立て、近くのベンチに座り、自分の棹の浮きを見つめている。
 水辺を占拠した一群の中高年の男たちは釣棹を地面に立て、もっぱら情報交換。

 ベンチの回りに集まった中高年の男たち、何しているんだろうと、そっと近寄ってみる。
 ベンチの上には、ビールと乾き物。
 ビール片手に乾き物を口に入れ、時事放談を続けている。
 
 その隣のベンチでは、中高年の夫婦が、手製の昼ごはんを食べている。
 そこに、何かもらえるかと鳩が二羽近寄ってきた。
 「シッ。シッ」と言いながら、ご主人は、ペットボトルの水を投げかけ鳩を追い払う。
 そんなことお構いなしに、食べている奥さん
 そして、その一部始終を横目で見ている私。

 コンクリート広場では、中高年の男女混合ゲートボール大会が開かれている。
 和気藹々と実に楽しそうに、ゲームに熱中している。
 その横の歩道を、ゲームを見ながら歩いている同世代と思われるご夫婦。
 
 大勢の中高年が地面に座って何をやっているんだろうと近づいてみた。
 雑草取りの仕事だった。 

 楠の下で、一休みしていると、私の頭のすぐ上を何かがサァッと何が通り過ぎる。
 一瞬、何かに襲われたような恐怖を感じた。
 通り過ぎていったのは、カラスだった。
 そのカラスは、この楠の枝に止まった。
 しかし、近くで見るとカラスって、結構不気味なもんだ。

 平日の公園は、土日とは一味違う風景を味あわせてくれました。