チーズの目 41
割と交通量の多い自動車道から少し住宅街に入ると近代的な高いマンションとネギ畑が同居。
つい2、3日前まではそのネギ畑に、白い葱坊主が行儀良く肩を並べて風に吹かれて揺れていたんだけれど、今日気づくと全部刈り取られて茶色い土に変わっている。
ところどころに白い葱坊主の残骸が散らばっている。
耳を澄ますと結構野鳥の声がするもんだね。
区別がつくのは、雀と烏ぐらいで、あとはわからない。
チュンチュンと鳴く朝の雀の声で、以前この家のパパがCDで聞いていた落語を思い出した。
落語の話の通り、本当に朝になると、雀はチュン、チュンと反響する声で鳴くんだっておかしくなっちゃった。
で、そのマンションの前の入口付近には、サッカー着姿の男の子2人とその子たちの母親2人が、立ち話をしている。
その4人の横を通り過ぎようとした時、1台のボックスカーが近づいてきて、その4人の近くに横付けされた。
そのボックスカーから出てきたのは、その母親と同年代の女性が1人。
その人たちの会話内容だと、これからサッカーの練習に行くみたいだね。
朝早くから、本当に母親って、大変だよね。
彼らの父親は、まだ寝床の中できっと眠っているんだろうなぁ。
いつもの散歩コースなんだけれど、季節や時間帯によって見えるものや聞こえてくるものが違うんだ。
あたりまえっていえばあたりまえのことなんだけれど・・・。
ああそれから、おかしかったのは、ここの家のパパが、タバコを買うために散歩コースにあるコンビニに
入ったんだ。
その時僕はもちろん店内立入禁止だから、入口付近のポールに繋がれるんだけれど。
その時、ここの家のパパは、僕の散歩道具一式も僕の傍に置いて店に入ったんだ。
店から出てきて、僕はポールから解放されて、そのまま散歩続行となるよね。
それでいつもの朝の儀式として、僕は所かまわず力んじゃうわけなんだけれど、その時になって、さっきのコンビにの入口付近に僕の散歩道具を置いてきたことを思い出して、駆け足で引返したんだ。
そして、駆け戻って、きちんと僕の後片付けはしてくれたよ。
いつもいつも、お世話になります。
午後からは、ここの家のママと次女に連れられて先日書いたPランドに少し伸びた毛をカットに行ってきたんだ。
だから、いま僕は耳の周りと尻尾だけ毛が残っているけれど、全身は因幡の白兎状態なんだ。
それと耳には、水色の耳飾。
ああ、カットのたびにこの耳飾つけられるんだけれど、すぐに外したくなるんだ。