チーズの目 36
いつもの指定席で身体を丸めながら、僕は考えている。
僕たち犬って、結構人間社会に貢献しているんだなぁって。
だって、警察犬、麻薬犬、盲導犬、介護犬、救助犬、最近ではガンを見つけたりとか。 本当に、いろいろな所で活躍しているんだってなぁって思うとなんだか嬉しくなってくる。
じゃあ、僕はって考えてみると、・・・無職?
でも、ここの家の人たちにとっては、僕はセラピー的な存在だよなぁ。
僕が散歩で出会う仲間たちも、僕と同じようにセラピー的な存在じゃないかと思う。
だけど、それでいいんじゃないかと思う。
前にも書いたけれど、T沼で出会ったおばさんにとっては、散歩好きの僕の先輩のおかげで、外出するのがすごく億劫になるときも、この子がいるからつい外に出るのよねぇ。
って、健康面でも役立っているんだから。
僕が日記を書き始めて、早いもので1ヶ月が過ぎた。
そして、今日は日記について、書いてみた。
といっても、また、ここの家のパパの受け売りだ。
ただ、ここの家のパパも、誰かが言っていたことの受け売りだと思う。
日記って、その日に起きた出来事を綴るんだけれど、たいていは何か特別なこととかいつもとは変わったことを書くと思うんだ。
そして、いつもと変わらない出来事は、あたりまえのこととして、特に書かないよね。
でも、何十年いや何百年かな、後になってみると、そのいつもと変わらない生活が変わっちゃって、逆にそのいつもとおなじ生活がわからなくなってしまうって。
で何が書きたいかっていうと、いつもと同じ当たり前と思っていることも、本当は大切にしないといけないんだなぁって・・・。
だから、僕の日記には、「ああこれは、いつもおなじ。」とつい見過ごしてしまいそうなことでも、ちょっと違う角度からいろいろと見たり考えたことを書いていこう。