[随感日記] ヒバクシャ・イン・USAを読んで

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 今回の福島第一原発事故がなければと書き初めて、これは少し顰蹙を買いそうだなと猛省。
 出版されたのは26年前の1985年で、今まで知りませんでした。
 他の原発関係の本を読んでいると、参考文献として紹介されていたので、どんな内容かなと最寄の図書館に予約をしたのですが、出版からかなりの年数が経ったため、今は書庫に保管されていました。
 書かれた内容は、初めて知ることばかりでした。
 そして、いかに冷戦時においてこの地球の上で原水爆の実験が実施されたか、驚愕です。
 公表された米国の核実験は、1984年末までで大気圏と地下を含めて758回です。
 英国が行った大気圏核実験は、公表されただけで1952年から58年までに21回です。
 これ以外の核保有国が、核実験を行っているのです。
 また、核の墓場の章を読むと、もっと衝撃の内容が書かれています。
 最後の章には、
 「戦後アメリカの核開発の最大の功労者の一人に、原子力潜水艦の父と呼ばれるハイマン・リッコーバー提督が・・・。退役時に上下両院経済合同委員会で行った演説は衝撃的だった。
 −未来の世代に与える損害を考えに入れていない以上、原子力発電が経済的だというのは見せかけの議論である。放射性物質には半減期が何億年のものもある。人類は自らを破滅させるだろう。原子力放射線を生み出す限り価値がない。あなた方は、それではなぜ私が原子力推進艦をつくったのか、たずねるだろう。
 それは必要悪なのだ。全部沈めてやろうかとも思う。私は自分が果たした役割を誇りに思っていない。核戦争が起きればわれわれは自らを破壊するだろう。そして、もっと頭の良い新種の生き物が発生するだろう−。」
 著者は、「永年の公務から解放された後の本音の発言、とみてよいのではないか。彼が最高責任を負った海軍の原子力推進部門では、原潜ストレッシャー号の爆発、スコーピオン号の沈没、シーウルフ号の原子炉の海洋投棄−などの事件があった。自分のしたことを「必要悪」として片付けてしまうことは無責任のそしりを免れないだろう。ただ、その発言に表れた率直さは評価されるべきことかもしれない。そして、このような本音が言える自由を保障することの重要さに留意すべきだろう。」
 と書かれています。
 で、思い出したのが、木原省治(某電力会社の株主で、反原発的立場)著「原発スキャンダル」の冒頭に元某電力会社に勤務していた重役が、退職した後に、偶然著者と街中であったときに、「頑張ってください。応援してます。」と声を掛けられたというエピソードを思い出してしまった。
 人間ですから、立場が変われば、言うことが変わるというのは、よくあることです。
 前職のときに、自分の信念とは違うけれども、上司の指示に従わなければならないということがありました。
 もしかしたら、あのときの上司も同じ気持ちを抱いていたかもしれません。
 組織人ですから、上席者のからの黙示的な指示には、ハンタイできないものです。
 

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