[随感日記] 原発は差別で動く
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8月になって勤務シフトが変更となり、従前どおり地元の図書館に行く時間ができました。
それで、24時間勤務の帰宅時に、立ち寄ってきました。
何の気なしに、図書館備付の検索機を利用して、「原発」をキーコードにして検索して、見つけた本がこれです。
- 作者: 八木正
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2011/06/24
- メディア: 単行本
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昨日のブログのコメントに書いた「知らしむべからず、依らしむべし」という言葉が、まず冒頭に書かれていて、はっとしたところです。
これは、封建時代の支配原則ということになっていますが、実はこれはいかなる社会にあっても不変の支配鉄則なのではなかろうか。と著者は書いています。
その通りだと思いながら読み始めたら、今度はアメリカ原住民の故ビル・ワピッパ氏が発している言葉に著者が胸を打たれた言葉が紹介されてます。
それがこれです。
「われわれは公害と言った時、あらゆる形態をとった公害について考えています。放射能公害、その他化学工業によってもたらされる公害、すなわち、水、空気、土地の汚染。しかし最も深刻な公害とは、人間の価値観の公害、思考の公害なのです。
貪欲な物質主義、エゴイスティックな消費主義は、原爆に勝る、悪意に満ちた兵器です。この兵器=価値観を捨てなければなりません。そうしなければ大地を敬う心は生まれないのです。
金と権力の貪欲な追求論理に貫かれた帝国主義と軍国主義が、世界の各地で母なる大地に何をしているか、しっかりと目を開いて認識しなければなりません。
世界の全ての人類は現在、最も深刻な歴史的地点に立っています。工業発展という美名がもたらす公害、とりわけ核エネルギー開発がもたらす公害。その根底にある価値観の公害によって、人間のみならず、生きとし生けるもの全てが殺されつつあります。そして更に我々の大地、全ての生命を生み落とした大地が殺されつつあるのです。」
この言葉の前にも、ワピッパ氏の言葉が紹介されていますが、その言葉にも考えさせられます。
「既に『われわれは核戦争のただ中に生きているのだと実感し』またそうはっきりと主張せざるをえないのである。
「しかし実際には、原水爆が破裂することが戦争だという、狭い認識しか持ち得ない人があまりにも多いのです。特に日本には。われわれにとって戦争をくいとめることは、原水爆の投下を阻止すると同時に、それ以上に今現在人々を殺している、核エネルギー燃料サイクルの全てに反対していくことなのです。」
知りませんでした。
侵略してきた白人たちに追い立てられ、追い詰められた「インディアン居住区」がウランの宝庫だったとは、そしてその採掘は放射能防護用の衣服もマスクも与えられず、換気装置も安全予防措置何もない非人間的な労働を強制されたのがインディアンだったとは。
もっと恐ろしいことは、ウラン残滓が住宅、教会、学校などの造成に使われていたんだそうです。
これは、日本でも同じことが発生してますけれどね。