お茶の好きなおじさん

昔々、一人の少年が東京の端っこに住んでいました。
少年は、家の近くに流れる大きな川辺に立つと、いつも不思議に思うのでした。
この川向こうの堤防の上に見えるあのこんもりした森には、一体何が住んでいるんだろうと。
その頃は、まだ川向こうには、高い建物が建っていなくて、堤防の上にはこんもりとした森と青空しか見えませんでした。

少年は、いつしか大きくなり、一人でその川を渡れる年頃になりました。
少年は、小さなときから不思議に思っていた、あの川向こうの森に行ってみようと、一人で大きな川に架かる橋を渡り始めました。
それは、真夏の暑い日でした。
少年は、汗をいっぱいかきながら橋の上を歩いていました。
ちょうど少年が、橋の真ん中まで来たときに、向こう岸の堤防の下には、青々とした稲穂が風に揺れるのが見えました。
そして、少年は、森のにたどり着き、そこで素敵な青い鳥を見つけることができました。
そうです、それがあの『お茶好きのおじさん』の今の奥さんです。
ところが、この奥さんは、お茶よりも大のコーヒーが好きなんです。
折角、『お茶好きのおじさん』が、おいしいお茶を作っても、奥さんは飲んでくれません。
それで、『お茶の好きのおじさん』は、喜んでお茶を飲んでくれる人を求めて、今も冒険の旅をしているのです。

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