文通  夏の日の思い出  トット君1

トット君は、小学6年生。
転校したキミちゃんと文通をしている。
キミちゃんとは、小学校5年生の時の同級生。
今年の3月に、お父さんの仕事の関係で、よその町に転校した。

ある日、同級生のアッちゃんから手紙が届いた。
アッちゃんは、キミちゃんがこの学校にいる時一番仲の良かった友達だ。
トット君はその手紙を貰って、不思議に思った。
教室でいつも会っているのに、何で手紙なんかを送ってきたんだろうって。
トット君は、手紙を開けて読み始めました。
アッちゃんからの手紙の内容は。
「転校したキミちゃんからトット君と文通したいって。
もしよかったら、住所はこれだから、手紙書いて。」

トット君は、その手紙を読んで少し嬉しくなりました。
キミちゃんとは、同じクラスのときは、喧嘩ばかりしてました。
でも、トット君はキミちゃんのことを少し気になりはじめていたのです。
それは、一度だけ教室の掲示板に、落書きでキミちゃんとの相合傘を書かれた事があったからです。
その時から、トット君の心の中になかにキミちゃんが住み始めていたのです
トット君は、すぐに封筒と便箋を買い、キミちゃんへの手紙を書きました。
それから、トット君とキミちゃんとの文通が始まりました。

それから、1年が過ぎました。
中学校1年の夏休に、キミちゃんから
「実は、先日の夏祭りの時、アッちゃんに会うために、トット君の住む街に行ったんです。
アッちゃん家に泊まることはできなかったので、その日に帰りました。
電車で帰るので、そんなに遅い時間までいられなかったのです。
もしかしたら、トット君に会えるといいなぁと思ってたんだけれど。
結局会えませんでした。」
トット君は、その手紙を読み、キミちゃんへのちょっとした怒りと会えなかったことの淋しさを覚えました。
来る前に手紙でもくれれば、会えたかもしれないのという怒りです。
でも、トット君はこの夏休は、野球部の活動で、一日中グランドでボール拾いです。
練習をさぼることはできません。
事前に、キミちゃんが来ることがわかっていても、トット君は会うことはできませんでした。

それから、高校2年まで文通は、続きました。
いつのまにか、2人の手紙のやり取りはなくなってしまいました。


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