江戸川を臨む 3

江戸川に架かる「新葛飾橋」。
金町側の橋の上から川面を見る。
昨日の雨で増水した川の水は、川幅を広げ土色の水を運んでいる。
川下を臨むと映画「寅さんシリーズ」で映し出される風景が見える。
堤防には、数人がジョギングをしている。

向かい風に苦労しながら、新葛飾橋を渡り終える。
渡り終えたところにある脇道に入る。
そこには、堤防下に続く石の階段がある。
その石の階段を下り、降りきったところで、左手に曲る。
少し、歩くと上を常磐線が走るガードと出会う。
ガードの中を、すこしひんやりとした風が、流れ過ぎていく。
トンネルは、いつも異次元につづく入口のように感じるのは、昔見たTVドラマの影響だろう。
ガードを潜ると、そこには道の両側に背の高い野草の群れが現れる。
町から吹いてくる風が、その野草の群れに話し掛けるように通り過ぎて行く。
野草たちは、一斉に過ぎて行く風を見送るように別れのおじぎをする。

堤防の上から見る野草たちは、まるで風のリードに身をまかせて優雅に舞う踊り子のようだ。

今の時間だと、各企業の事務所では、机に向かい仕事に従事しているのだろう。
学校では、生徒達が教師の講義を聞いていることだろう。
工事現場では、労働者が汗を流し、仕事に従事しているのだろう。
公会堂では、講演会が行われているのだろう。
公園では、主婦たちが子どもたちを遊ばせ、その傍らで情報交換を行っているのだろう。
コールセンターでは、ヘッドフォンをつけ、顧客に売り込みを行っているのだろう。
役員会議室では、重役たちは当面の経営問題をテーマに会議を行っているのだろう。
車に乗った営業マンは、各販売店を駆け巡ったルート営業を行っているのだろう。
旅人は、旅先で観光を楽しんでいるのだろう。
サッカー場では、競技大会が行われているのだろう。
いろいろな情報が飛び交う情報空間の中で、エンジニアたちは、情報の選択に勤しんでいるのだろう。
楽家たちは、自分の音楽をたくさんの人に伝えるために、演奏をしているのだろう。
沢山の人たちが、今の時間をいろいろな場所で生きているのだと空想をしながら。
私は、この江戸川の堤防に立っている。

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