チーズの目 48

 午前中の散歩は、ここの家のパパといつものコースを歩いた。
 
 そして、午後は、「天気がいいから」って、
 ここの家のパパが先週1人で行った水元公園に今度は僕も連れて行ってくれました。
 自宅から公園入口までは、ここの家のパパがこぐ自転車の買物籠の中で揺られながら。
 自転車の買物籠も慣れてきちゃった。
 とにかく、楽だよ。
 時折、振り向いてここの家のパパに、
 「がんばれ。」って、僕のつぶらな目で応援はしたよ。
 公園に着いたと同時に、僕は、買い物篭から地面に下ろされたんだ。
 公園では、たくさんの僕の仲間と同行者との出会いがあったんだ。
 特に印象残っている出会いは、若いママさん2人とその子どもたち(幼稚園入園前かな)との出会いかな。
 その他にもいろいろな仲間と出会ったんだけれど。
 それで、さっきの続きなんだけれど、子どもと同じベンチに座っているママさんとその傍に子どもを抱いたママさんとが仲良く話していたんだ。
 そして、僕はその座っているママさんの足に後ろ足立ちして絡んで行ったんだ。
 で、そのママさんは、特に僕を嫌がらず、僕のお愛想を受け入れた上に、
 「まぁ、かわいい。」って、言ってくれたんだ。
 それを見ていたそばに立っていたママさんも、
 「本当にかわいい。ほら見て。」って、僕の頭を撫でながら、そして僕がよく見えるようにと抱いている子どもを僕の頭が届くように下ろしてきたんだ。
 そして、その子の手が僕の頭に届くと同時に、その子は僕の耳飾を引っ張ったんだ。
 それで、僕は本能的にその場からすぐに飛び去ったよ。
 「あっ、だめよ。犬さんが、可愛そうでしょ。
  本当にごめんなさいね。」って言いながら、その子を叱りながら、ここの家のパパに謝っていた。
 「いえ、いいんですよ。」って、ここの家のパパは、寛大に許していた。
 でも、痛いのは、僕出会であってここの家のパパじゃないんだ。
 とにかく、僕はその場をすぐ逃げ去った。

 それから、この公園には、いろいろな樹木があるって、ここの家のパパが教えてくれたんで、忘れないうちに書いておこう。
 メタセコイアラクショウの木は、恐竜時代から存在するものなんだって。
 一時期は「化石の木」とか言われてたらしいんだけれど、現存していることがわかったんだって。
 そういわれてみると、なんとなくメタセコイアの森を抜けるときに、突然恐竜が現れてきてもきっとおかしくないシチュエーションなんだろうなぁという妄想が一瞬頭をよぎったんだ。
 あと、チューリップのような花が咲いている木は、ユリノキだって。
 英名だと「Tulip Tree」だって。
 都内でも有名なポプラ並木。
 通は、このポプラ並木を見に来るんだって。
 そのほか、盛りだくさん。 
 気づかずに通り過ぎれば、単なる風景でしかないけれど、いろいろ説明を受けるとおもしろいもんだね。
 あと、中央広場、全方位緑の草とその中に点在するシロツメクサは、圧巻だった。
 僕は、うれしくって飛び回っちゃった。
 ここの家のパパを中心に円を描くように、だってリードを離してくれないんだ。
 なんだよ、こんないいところがあるんだったら、もっと早く連れてきてほしかったなぁ。
 これからは、たびたび連れて来てくれって。
 そして、シロツメクサの所で、ママと男の子が座って何かやっている。
 近づいてみると、「花の首飾り」にはちょっと小さいから「花の王冠」かな? 
 まだまだ、書きたいことはあるけれど、きりがないからこのへんで終りにしよう。
 
 そして、なんだか疲れたみたいでちょっと体調が悪い。
 眠れば直るかな?