チーズの目 34

 今日で連続4日目の晴天だぁ。
 昨日から5月だから、「五月晴れ(さつきばれ)」って思ってたら、本来の使い方は違うんだってねぇ。
 現在の5月は、陰暦(明治5年12月2日まで使用)でいうと6月にあたり、6月はちょうど梅雨時期。
 だから、「五月晴れ」って言うのは、雨続きの中の晴れ間のことを言うんだって。
 てっきり今の時期の晴天続きの事かと・・・。
 まぁ、それはそれとして、
 その日の天気っていうのは、その日の気分に相当の影響力を与えるって思う。
 天気がいいと、ただそれだけでなんとなく得したような、いい気分を味わえる。
 というか、僕の場合、雨だと外出させてもらえないんだから。
 まぁ、これもこれとして。
 昨日も本当に天気が良かったんで、ここの家のパパは、おとといと同じくE川まで少し遠出の散歩に行ってきた。
 今回は、ちょっと気を効かしてたみたいで、僕用のペットボトルを携行していた。
 (ただし、中の水は水道の水だよ。)
 今日の土手は、土曜日っていうこともあり「観光客がどっと繰り出す」じゃないけれど、かなりの人と犬が繰り出していた。
 僕が、近付くと逃げていってしまった出会いだとか、不意に近付かれて飛びのいちゃったりした出会いとか、まぁいろいろな一期一会だね。
 もしかしたら、また会うかもしれないかな?。
 本当に出会いを大切にしなくちゃ。
 川原では、若い男女のグループと近所のお仲間さんグループが、少し離れてバーベキュー大会を楽しそうにやっていた。
 今日は、歩いている途中で何度か立ち止まるほど暑かった。
 ハァハァと舌を出している僕に、ペットボトルの水を飲ませてくれたのには、犬心地(人心地?)つけたよ。

 この土手は、サイクリングロードとの兼用だから、自転車に乗った人たちとの出会いもある。
 大量の汗を流しながらジョギングしている人の出会いもある。
 だけど人間たちは、僕たちのように簡単な挨拶とかじゃれあいもなく通り過ぎて行く。
 そうやって見ると、僕たち犬のほうが社交的じゃないかって思う。
 僕が草叢の中に鼻を突っ込んでいる間に、老夫婦が通り過ぎていった。
 男性の方は、少し腰が曲がって前屈み、女性の方は、ちょっと後ろにそりぎみ、でも2人とも猫背で同じスピードで、本当にゆっくりと、一歩一歩踏みしめながら歩いている。
 その姿を見ながら、ここの家のパパのひとり言を聞いていると、
 「そういえば最近、都内(文京区)を歩いていても、同年代かそれより上の人たちが地図を片手に夫婦でよく散歩しているよなぁ。」って。
 その老夫婦の後ろ姿を見てるここの家のパパの顔は、なんか羨ましそうななんか淋しそうな顔に、僕には見えたんだよ。