人に歴史あり。

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長く等施設を利用されていたOさんのケアマネージャから連絡があり、
「次月度から他の施設に変わる。」旨の連絡があった。
私が赴任してから利用者さんが徐々に減少しているのは、非常に困ったことです。
今まで優良施設だったのですが、大幅に稼働率が下がってしまいました。
その影響で経費も減額されてしまいます。
今でも、経費が不足するのですから、これからが大変です。
しかし、前のところより潤沢な経費を貰っていて、どうしてこんなに不足するのか不思議です。

話が逸れました。
先ほどのOさんが他の施設に移りたい要因は何なのか、ケアマネージャさんに聞いたところ、
「レクがほとんどない。
当施設から帰宅した後、苛立っていることが多い。」との理由でした。
レクが少ないのは、その通りなのですが、ご本人は「体調が優れない。」と言われて、ほとんどベッドに横になられているので、その旨ケアマネージャに聞き返したところ、言葉を濁されました。
きっと要因は別のところにあって、表向きの理由なんだろうと思います。
昨日が、そのOさんをご自宅に送って行く日だったのです。
送って行く車中で、Oさんが感慨深そうな声で、
「この路地の奥に、私の店があったのよ。店の名前は『みちのく』っていう名前だった。
60になった時に、子供から『もう年なんだから、店を閉めたら』って言われたの。
老いては子に従え」っていう古い考えを信じていたから、それに従ったのよ。
でも、今考えると、あのまま商売を続けていた方が良かったんじゃないかと思うのよ。
結構いい常連さんがついていたのよ。
商売辞める時、その常連さんたちから、結構惜しまれたのよ。
その常連さんも結構な年齢だったんだけれど、若い衆を連れてきてくれてたから、お客には恵まれていたのよ。
本当に、勿体無いことをしたわ。」って、昔を懐かしがりながら話される。
「その若い衆が飲みに来た時は、月10万までは、自分が払うから、飲ませてやってくれって。」
「じゃあ取りはぐれるってないですねぇ。」
「そうなのよ。」
「確かに、もったいないですね。」
と、ご自宅に着くまで、Oさんの昔話を聴いた。
女の手ひとつで店を構えて、子供を育ててきたOさんのこれまでの人生を垣間見た。
「人に歴史あり」です。

夜勤をしながら、こんなことを書いている。
壁時計を見ると、0時回ったようだ。