入院中の読書。

入院中に青空文庫山本周五郎作品を数作読了した。

作品に描かれている内容が、当時の江戸庶民の実態と同じものなのかよくわからないが、もし同じものとするならば、当時の方が男女の関係は、今よりかなり緩やかだったのかなぁという感想です。

今回読み終えたのは、「五辨の椿」「柳橋物語」「雨あがる」「ひとごろし」の4作品です。

「ひとごろし」は、病院の蔵書として劇画本があり、それを読み終えた後、に読み直しました。

山本作品では、「偏耳録」(現時点では、実在する書物かどうか確認していない)に記録があり、それを参考にして書かれた作品とのことです。

これまでも数度映画化(コント55号松田優作が主人公)されたとのことですから、映像化しやすい作品なのでしょうし、内容的にもかなりインパクトがあります。

「五辨の椿」「柳橋物語」は、当時の女性の生き様が描かれてはいますが、「五辨の椿」は、いくら父親の怨恨を果たすためとは言え、実の両親を殺害する(父親の方は未遂ですが)ものだろうかと、やや疑問。

「雨あがる」は、流浪中の中年夫婦の物語です。

何とも微笑ましい内容ではありますが、このまま老後を迎えるとするならば、いったいどうなるんだろうと、老婆心ながら、先行きに不安を与える作品です。

柳橋物語」は、ここまで運命は、過酷な試練を女主人公に与えるのか(実際には作者の山本周五郎氏ですが)と、読みながら思いました。当時の江戸は、火事・天災に対しては、脆弱だったと思います。

と同時に、それほど被害があっても、その後復興できたというのも凄い。

と、山本周五郎作品及び病院の蔵書に池波正太郎作品「鬼平犯科帳」と「剣客商売」の劇画本を読み、江戸時代の庶民の暮らしにかなり興味が湧いてきました。